第34話 そっと置いてあった忘れ物

ついに田舎へ戻る時がきた。
なぜ、戻ったか?
まず彼女がそれを希望していた事がひとつ。
口には出さなかったけどね。
そして就職先があるからと
親に言われたからだ。

教員を目指していた僕は
県の教員採用試験を受けた。
が・・・
もの凄い倍率の前に
あっさり敗れ去ったのだ。
県下で採用一人とか二人なんだよ!
一体どうしろって言うんだ!

まあいい。
この時僕の父はある中学で
教頭先生をやっていた。
こういう人間がいるとネ〜コ、ねこ、猫
コネという奴で臨時採用がとれるのだ。
で、戻ってこいと。

そんなこんなで帰る事になったんだ。

ところが!
臨時採用がなかった!!
くそ親父てめぇーー!

完璧なプー太郎と化したマーチン。
さて、どうする?

まともな仕事はないよねー。
お金が欲しいよねー。
アレしかないじゃん。
ア〜レ!
必殺!みっず商売☆

早速面接に行き一発でOK!
社長さんクラスが接待で利用する
高級クラブのBoyになりました。
もちろん綺麗な女の子がたくさんだよ。

ここで起きた笑い話を一つ。
僕の実家が神社なのはご存知?
事実なんですよ。
ある日、お祭りをしました。
とある会社の年に一度の大行事。
父と僕の二人で神主さんをしたのです。

祭りの後、応接室で
「ささ、神主さんこちらへ」
と社長さん。
神主さんは特別な人間らしく
僕みたいな若造でも頭を下げてくれる。
豪華な昼食を頂いてお酒を飲んで帰りました。

その夜、いつも通りバイトへ。

がやがや・・・
「あ〜ら、いらっしゃい社長さん」 ホステスさん
「よーう、○○ちゃん会いにきたよ〜」 どっかの社長
わいわいがやがや

「ご注文おねがいしま〜す」
「いらっしゃいませ、ご注文・・・はぁ??」 片膝ついてる僕
顔を上げてびっくり!
昼間の社長さんだぁぁぁぁあ!!
ダッシュでランアウェイ!

幸いにも社長さんは気が付きませんでした。
っていうか、あまりの変貌に
気が付きようがなかったようで。。。

さてさて・・・
僕のバイト先は0:00頃には閉店です。
近所には同じ系列のお店が数件ありました。
そちらは朝までやってます。
そこである日
閉店後みんなで飲みに行く事になったのです。

僕の隣にはあすかちゃんが付いてくれました。
初めて名前が登場しますがこれはお店での名前ね。
話をすると彼女は僕より3つか4つ年上。
ここ数年彼氏が居ないらしい。
かなり美人なんだよ!

「えぇ〜っ!?うっそー」
「本当よ。暫く男の人はいいやっ。。。て」
「昔なにかあったんだ。。。」
「・・・」
あったらしい。
まぁ、人間いろいろあるわな。

「たまには男と遊びに行くってのはどう?」
「マーチンさんと?」
「もちろん」
「んー・・・うん、いいよ」
「じゃぁ、明後日にしようよ」
「わかった」

とんとん拍子に話が進んだ。
こういうお店の女の子は普通口説けない。
僕が同じ系列の店員だった事と
彼女にとって
僕が現れたタイミングがナイスだったようだ。


当日。
ドライブをして
この辺りでは有名なボーリング場で遊んだ。
食事をしてカラオケへ。
彼女が歌ったのは当時HITしていた森高千里の
『私がオバさんになっても』。

「・・・オバさんになぁーっても♪」
彼女が寄り添ってくる。
軽く肩を抱いてあげる。

いい雰囲気だ。。。
う〜ん、、、
もう、いくしかないでしょ!

ルルルル・ルルルル・・・

「お時間5分前ですがご延長なさいますか?」
「ちょっと待って下さい」

「どうしよっか?」
「う〜ん、、、」
「俺んち行こうか!」
「うん!」

「帰りますから」
「はい、ありがとうございました」

田舎に帰ったが僕は一人暮らしをしていた。
今更親と暮らせるかっ!って。
このカラオケから部屋まで車で5分。
お菓子やらお酒を買い込んでLet'sGo!

部屋でゲームをしながら盛り上がる。
いちゃいちゃして・・・
押し倒したらっ!
必殺「いや!」が出た。

本当に嫌なのかな?
少しそのままでじっとする。
そしたら抱きついてきてくれた。
「いいよ」の「いや」だったんだ。
男はこれってとても嬉しいんだよ。

早朝5:30頃。
彼女が服を着ている気配で目覚めた。

「どうしたの?」
「あ、今日は用事があるから
 もう帰るね」
「じゃ、送るよ」
「いいの、タクシー呼んだから」

えっ。。。
それは嘘でしょ?

「・・・わかった。じゃぁ、また電話する」
「うん。。。じゃ」

バタン

逃げるように去って行くとはこの事だ。
恐らく目が覚めて
「やっちゃった。。。」と思ったんだろう。
女の子の多くは
すぐHしちゃうとそう思うみたい。
フォローしようかと思ったけど
そんな雰囲気じゃなかったので
僕は・・・
また寝た。

ピンポーン
Zzz・・・

ピンポーン
「・・・!?はい?」
「あたしー」
彼女だ。←付き合っている彼女ね

彼女はOLをしている。
時計の針は12時を回っていた。
という事はお昼休みか。

ガチャ
「おっす、どうしたの?」
「ううん、近くまで寄ったから
 顔を見ようと思って。。。」
「またまた。コーヒーでも飲んでく?
 セルフサービスだけど」
「んー、今日はいい。時間ないし。
 またゆっくり遊ぼ!」
「あぁ」
「じゃね」
「おぅ、仕事頑張ってね」

バタン

へー、珍しいなぁ。。。
そのまま帰るなんて。
寝ぼけてるからまぁいいけ・・・
けぇ!?!?!?!!??

部屋には
黒いソファーが二つ置いてある。
その上に何かがある。
よく見ると・・・
『黒いブラジャー』じゃないか!

☆◎〃Ψ〒!!!
僕の視力は0.04のスペシャルアイ。
さっきは全く見えなかった。
もし、、、
もし、今彼女が部屋に上がっていたら
一体どうなっていたんだ!?

「なぁに!これぇぇぇええええ!!!」

「あぁ、最近俺も着けてるんだよ」
⇒着けるわけないでしょ、バカぁぁァア!
「ふっ、お前にプレゼントするぜ」
⇒なんで剥き出しで転がってんのよ!
「ななななんじゃぁーこりゃぁぁああ!」
⇒松田○作のマネしてもダメぇェェエッ!

くらくら・・・
目眩がしてきた。
そして僕は、、、
僕はもう一回寝たのでした。←ホントです

「急いでいたから本当に忘れちゃったの」
君はそう言っていたけど、、、
ねぇ???
きっと『そっと置いてあった忘れ物』
なんだよね。

Form Martin


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