第28話 君から貰った忘れられないプレゼント

相性を教えてくれた彼女は
岡山県に住んでいた。
あまりに遠距離だった為
正直、付き合っていくつもりはなかった。
しかし、日が経つにつれ
会いたい想いが募っていった。

日が経つといっても一週間。
「夏には会えるさ」と言ってお別れしたが
たった一週間で再会した。

僕が初の遠距離バスを利用して
岡山へ行ったのだ。
余談になるが
遠距離バスは使わない方がいいと思う。
なぜか?
乗ってみれば解る。

彼女はとても喜んでくれた。
彼女には彼氏がいたが
既に別れていた。
別に僕が付き合うとも何とも言った訳ではない。
一言こう添えて僕に言った。

「これで良かったのよね。。。?」

千鳥足のあの彼女が
ここまで大きな存在になるとは。。。
岡山滞在中に決心した事。
僕もけりをつけようと。

東京へ戻って幾日か。
静岡の彼女が部屋に来た。
以前から約束してあったのだ。

話をしなければと思っている時
「買い物に行きたいの」
と彼女が言う。
これが最後の買い物になるのか。。。

「いいよ」

多摩にあるSOGOに行った。
彼女はコロンを買っていた。
カボティーヌという可愛い瓶に入った奴だ。
僕には大好きなゲームを買ってくれた。

。。。

部屋に戻って彼女が口を開く。

「何か言いたそう。。。」
「君の事好きなんだけど。。。」
「うん。。。」
「もう、終わりにしよう。。。」
「。。。ずっと、思ってたんだ」
「?」
「この部屋に来るたびにね
 今日言われるか、今日言われるかって
 ずっと、思ってた」
「。。。!」
「。。。やっと言ったね」

眼が熱い、涙が出る。

「そんな事思ってたのなら
 先に言ってくれれば。。。」
「言わないよ。
 私はマーチン好きだもん。。。」

もうそれ以上言うな。。。

「辛いけど。。。
 辛いけど、その方が二人の為なんだよね?」
「。。。」

嫌いになった訳じゃない。
聞こえはいいが、聞こえはいいが、、、
嫌いになった方が余程楽だ。

最後の夜が明けて
彼女が部屋から出ていく。

「さよなら、マーチン」

バタン

とっさにドアに駆け寄った。
ドアを開けたい!
開けてもう一度呼び戻したい!
!!!!
右手を左手で抑えて我慢した。
開けたら・・・ダメなんだ。と。



ベランダの向こうには線路が見える。

電車が通り過ぎる。
ガアァァァーーァァァ・・・
あれに乗ったのか?

また通り過ぎる。
ガアァァァーーァァァ・・・
こっちを見てないか。。。

ガアァァァーーァァァ・・・
僕は何をやっているんだ。。。

何本の電車を見送ったか覚えていない。



ドアを開ける前。
最後の最後。
「ドラマじゃないけど
 マーチンに出逢ってよかったよ」って。
未だに眼が熱くなる。
ありがとう。。。

君との想い出は
僕の心の箱の中で
今も、これからも生きていきます。

そうだ、一つだけ箱から出ているモノがあるんだ。
君から貰った忘れられないプレゼント。

「なんて呼んだらいい?」
「う〜ん、名前で いいよぉ」
「やだ〜、じゃあ こうしようよ!」
『マーチン!』
『マーーーチン!!』


Form Martin


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