第27話 相性を教えてくれた君

「来週から教育実習なんだよ」
「おぅ、そうか
 ま、頑張ってこいや」
「ん、でな、面白い話があるんだ」
「なんだよ」

相手中学以来の親友君。
悪友というべきか。

「実習生7人いるんだけどさ〜」
「あ、女がいないとか!」
「逆だ。俺以外全員女!」
「マジー!?年は?」
「全員年下」
「すげー、おいしすぎる・・・」
「だろ?期待に股間が膨らみそうだ。
 つっても、2、3週間だからなー」
「お前最近ノッテルから
 サクッといっちゃうじゃねーかぁ?」
「そう、うまい話があればいいけどね〜」

先生の卵たるものの会話がこれだ。
全く、不謹慎な!
でもね、僕が中学の時に
当時教生で来た大学生と
僕の同級生(女)が付き合いだして
その子が高校卒業したら即結婚!
というドラマを見たことがあるんだ。
実話だからね。
当時21歳と14歳だぜー。
シビレるでしょ??
それに比べれば僕なんて可愛いもの。。。
こら、まだ何もしてないって!

週末に顔合わせといって集まりがあった。
週明けからは実習が始まる訳だ。
会議室には既に何人かがいた。

「こんにちは、宜しく」
「あっ・・・宜しくお願いします」

ん?あれ?この感覚。。。

この子は僕の左後ろにいたYちゃん。
始まりまで時間があったので
話をしてみたらびっくり!
なんと彼女の家は僕の家のすぐ近く。
近くというより隣なんだ。
ただ間に線路+新幹線が通っているんだけどね。

いくら田舎とはいえ、この親近感は珍しい。
いきなり意気投合しちゃった。

説明会が終わり
先生方と飲みの席が設けられた。
集合は19:00。
一度帰って集まることになった。

「一緒に行きましょう!」
おっと、積極的。
「いいよ。じゃ、UCCコーヒーの前で」

家の近くにUCCコーヒーのビルがある。
そこで待ち合わせて飲み屋さんへ。
ちょうどその頃、雨が降り始めていた。

お店の前で実習生みんな待ち合わせる事になっている。

「誰もいないねー」
「うん。。。あっ?」
「Kさんだ」

この子はちょっと変わりダネの子。
出来れば余り関わりたくない。

「あ、このビル2Fが空いてるじゃん。
 登ってみようよ」
「うんうん!」

空フロアーに上がり
窓から下を見る。

「あっ、みんな来た来た」

っっ!

隣を向くと20cm位の所に彼女の顔が。
彼女もこっちを向いた。
でも、そのまんま。
二人とも金縛り状態。
まるでキスする2秒前。

え。。。?マジ?

「マーチンさんはぁー?」
下からみんなの声が聞こえた。

「はーい!行こっか」
「。。。はい」

「お待たせ〜」
「二人で何してたんですか〜。
 怪しいなぁー」
「なぁ〜に言ってんの。
 ほら、行こ」

先生方と挨拶をして飲み会が始まる。
しかし、頭の中はさっきの事が無限ループ。

あれっていけたのかな?
でも、さっき出会ったばっかりだぜ?
ほら、でも今俺ノッてるじゃん。


お疲れ様でした〜。
げ!ループしてる間に飲み会が終わってる!

「マーチンさんはどうします?」
「はい?」
「この後の二次会」
「あ、いいですよ。行きましょう」
という訳で若者だけで二次会へ。

女の子ばかりだからか、みんな良く飲む。
この時、僕は初めて記憶が途切れ途切れになった。
なぜかKさん(苦手な人ね)に免許証見せて
「ほらー、俺○歳だろー」
と言っていたり。
全然関係ない子と
べぇっっっっったりくっついて話していたり。

「仲いいんですねー」と彼女。
「いやぁー、そんな事無いよ」
「えぇー、ウソだぁ〜!」
だって知らない人だもん・・・

「そろそろ帰りましょうかぁ〜」
誰かが叫んでお開きに。

彼女と僕は方向が一緒なので
勿論一緒に帰る。
うーん、このままってのもなー。

「もう一軒いこっか!」
「うん!」
おおお、いい子だ。

親に聞いておいた
デートに使えそうな店にGo!
大きなスクリーンがあって
映画が上映されている。
BGVだ。
カウンターで寄り添って飲むが
あっという間に彼女はダウン。
僕もダウン寸前。
しかし!!
ここで倒れては男が廃る!

気合で彼女を起こし。。。
どうしよう?
いきなりラブホテルに連れ込むのも鬼だしなー。
。。。
いかん、寝そうだ。

雨はもう止んでいるな?
「海に散歩しに行こう」
「。。。うーん、いいよー」
生きてる生きてる。

ひょろっ。
ふらっ。
トットット。
千鳥足とはこの事か。
散歩してるとナイス発見!

『ホテル・○○ルート ほにゃらら』

そう、誰もが知っている有名ビジネスホテル。
マジ眠いし、もう入るしかないでしょ。
でも、この雰囲気だと断られそうだなぁ〜。

そうなんだ、まともなホテルは
「いかにもっっ!」という当日客は
断ることがあるのだ。
「うちはそういう所ではありません」という事らしい。
じゃぁどうするか?
こうするんだ。

「ちょっと待っててね」
「。。。?はぁーい」
服を整え今だけ気合でまともな口調へ!

ウィーーーン。
スタスタスタ・・・
「スミマせん」
「いらっしゃいませ」
「アノ、予約してないのですが
 ツインかダブルの部屋は空いてナイでしょうか?」
「少々お待ちください。。。
 はい、どちらもご用意出来ますが」
うっ!悩ましい。しかし即決せねば!
「じゃぁツインをお願いします」
弱ェッッッ!
「はい、ではこちらにご記入を・・・」
「あ、ちょっと待ってください。
 連れを呼んできますので」
「・・・?はい」

スタスタスタ・・・
ウィーーーン。
。。。

ウィーーーン。
ひょろっ。
ふらっ。
トットット。

フロントの人
「・・・Σ( ̄□ ̄;)」
わかっちゃいたけど
あんたら、こりゃ凄い飲んだねってカオ。
ごめんね、吐かないようにするからさ。

部屋に入るなりベッドにごろんと
彼女撃沈。
くわー、どうしよう?
もう、行くしかないでしょ!

「えー、だって彼女いるんでしょ〜」
これはAさんの事。(第26話参照)
「フラレたばっかりだってばー」
「私も彼いるしぃ〜」
「嫌。。。?」
「信じらんな〜い。。。」
回答なしはOKサイン。

合体成功。
そして事件はこの後に起きた。

さわさわ。
抱き抱き。
ちゅっちゅっちゅっちゅ。
「あはははは、くすぐったいよ」
「いいからぁ〜」

さわさわ・・・
。。。
なんか凄い気持ちいいぞ??
えー、なになになに???
こんな事されたの初めてだ。
うわー、凄い気持ちいい。
幸せだ。。。
あんまりしてると
また合体しちゃうんだから。

。。。
ほら、しちゃったじゃないかぁ!
でもやっぱりいつもと違うぞ。
キス一つにしても
両手を首に回してくる所なんて
すごく可愛くて感じる。
これが相性ってヤツなのか。。。
なるほどね。。。

初エッチから6年後、君に出会ったんだ。
君は僕に相性というものを
初めて教えてくれた人でした。
そして、一度も口に出さなかったけど
真面目に結婚を考えた人でもあったんだよ。

Form Martin


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