第16話 初めてのスキー旅行で

大学3年、冬。
講義が終わりいつものように学食に行く。
必ず誰かがいるはずなんだ。

いたいた!

「おっす。何盛り上がってるの?」
「スキーに行く計画してんだよ。
 マーチンも来る?」
うっっ、僕はスキーはしたことがない。
でもしたい!
勿論道具もあろうはずがない。。。
「かくかくしかじか」
「あぁ、いいよいいよ。決定ね」

こうして人生初スキー旅行が計画された。

レンタルは足臭そうで嫌いだし
「上手くなりたければ自分のを買え」と
言われたこともあり
フルセットを4万円程度で揃えた。

麻雀仲間3人+クラスの女の子3人。
僕と女の子2人は完璧に初心者というメンツ。
中央高速道沿いにある「車山高原スキー場」へ。
今思えばここは中級〜上級がメインだ。
こんなところへ連れてくるな!

ゲレンデ中腹に到着。

「どうやってスキー履くの?」
履き方すら知らない僕。
「ブーツを押し付けて履くんだよ」

よっっ!
ガシャン!
「おお、履けた」
んっぁ!
ガシャン!
「素晴らしい。。。」

「で、足をハの字にしてトロトロと・・・
 あれ、マーチンは?」

「ぐあぁぁぁァァアー!
 止めてくれぇぇェェェー!!」
僕は板を履いた瞬間滑り出したのだ!
もちろん直滑降で!!
「う゛わぁぁァァァァ!」

誰もがあっさり僕を避けるので止まらない。
素晴らしい加速を誇る!
レストラン前にたむろっている女の子発見。
一番かわいい子に抱きついて停止!!
しかし板だけ外れてレストランの中へすっ飛んでいった。
「死ぬかと思った。。。」ボソッ。
「大丈夫ですか?」女の子。
「。。。あ、はい」呆然として謝れない僕。
「すみませーーん、大丈夫ですかぁ〜!」友達。
遅いんだよ。全く。

「普通コケるぜ。なんで下までこれるんだよ?」
僕に聞くな。。。
かくして新品の板は5分で傷だらけに。
その後、友達の特訓のおかげで
一日でボーゲンは出来るようになった。

さぁ、帰って夕食だー。
コンドミニアムを借りたので
みんなで食事を用意し食べる。
勿論そのまま飲み会へ突入だ!
一番弱いと自負するEさん死亡。
2Fのベッドルームへ転送。
数分後、K君死亡!?
おかしい!?何故お前が。。。
ふっ、野暮なことは聞くまい。
ほっといたら
水を得た魚のように2Fベッドルームへ。
怪しいヤツ。。。

それから1時間もしたろうか
Kさん死亡。
ふらふらと2Fへ。
ここで残ったのは3人。
M君、Wさん、僕。
この3人はまだまだ元気だぜーと
その後も飲んでいた。
しかし3時をまわり
いい加減僕も死にたくなった。

既に2Fは満員。
1Fの寝室に移動。
するとWさんがついてきた。
自動的に残ったM君もきた。
三人で川の字になって
「おやすみー」
電気を消して。。。
数秒後。

ゴソゴソッ
え!?
「チュッ」
Wさん!
マジでー!?
ちょちょっと待ってよ!

もともとウマが合う子だったので
わからないでもないが
だって、隣にはさ。。。
「チュッ、チュッ、チュッ」
キスってこんなに音がするんだ!
絶対バレるって。。。
彼女は激しい。
既にかなり怪しい状態になっている。

「あ〜、お前ら何やってんの〜?」
ほら!
しっかし、気の利かないヤツ!
お前寝たフリしてろよ!

恐ろしい状況になっているのは言うまでもない。
この後どうなったかは。。。?

青いどころか
まっっっ青になる想い出。
でもよく考えたらね
僕にキスしてきた女の子って君が初めてなんだよ。
いつもは僕がしちゃうからさ。


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