第11話 2日間の家出と若い男女

高校三年。
高校時代、特にこの時期は友人に恵まれなかった。
部活動仲間は良好だったが
クラスメートという点で
仲の良い友人は超小数に留まった。
するとどうなるか?
学校に行かなくなるんだ。

僕はTVゲームが大好きで
中学時代から異様な才能を発揮していた。
当時全国で流行ったシューティングゲーム
「ゼビウス」を極め
100円で朝10時のオープンから
夜の閉店まで遊び続けるのは当たり前だった。
8時間〜12時間はもつ。
自分の飛行機が増えまくっているので
ほっといてトイレに行っても平気なんだ。
店員のおばさんがキレて
電源を切られるなんてのはしばしばだった。

その日も
「行ってきます」と家を出て
いつものゲーセンに向かい
いつものように遊んでいた。
すると
ポンポンと肩を叩かれた。
振り返ると。。。
そこには母がいた。

僕の様子がおかしいことに
気が付いていたのだ。
「家に帰ってらっしゃい!」
さすがに怒ってる様子だ。
母は先に帰った。

どうしようか。
このまま帰るのはシャクだ。
そうだ、Tの所へ行こう!

彼女は1歳年上
東京で一浪中だった。
僕の実家は山口県。
そうそう会えるものではない。
チャンスだ!

なけなしのお金で切符を買い
新幹線で東京へ。
途中彼女に電話して訳を話す。
びっくりして戸惑うが
もちろん喜んでくれた。

夕方東京に着いて
一緒に夕飯の買い物をして
一緒に夕飯を食べる。
一緒にベッドに入る。
こんな生活というか体験は
この時が初めてだった。
時間も邪魔者も気にしない。

彼女も遊んでいる場合ではないのだが
この時ばかりは
べったりくっついて遊んでいた。
部屋に戻ると
ずっと抱き合っていた。
そんな夢のような二泊だった。

僕達が付き合っていることは
親同士も知っていたため
東京に僕がいるだろうと見当をつけ
母が東京に来ると言い出した。

素直に捕まる訳にはいかない。
入れ違いで家に帰る。
友達の所に泊まっていたと。
待っていた父に殴られるかと思いきや
「頼むぞ、お前は。。。」と
半泣きの父が握手をしてきた。
。。。
すまん、親父。。。

万引き事件以来の
親の愛情を感じた瞬間だった。
もう少し僕が大人だったら
心配させずにすんだかと
少し反省した。

青く懐かしい想い出。
時々街で若いカップルを見かけると
その頃の君と僕を思い出します。


Form Martin


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