第7話 大好きな僕が生まれたキッカケ

高校の合格発表当日。
ある友人と二人で見に行った。
合格者一覧が張り出される。
僕の番号を探す。
。。。
あった!
友人はどうだろう?
あるものと信じて聞く。
「見つけた?」
「無いみたい。。。」
「え!?」
番号を聞くと本当に無い。
「誰にも言わないでくれ。。。」
といって友人は帰っていった。

合格したのに全く喜べない
納得いかない合格発表だった。

高校生活がスタート。
兄も同じ高校で
一年前に卒業していた。
弟が入るらしいと
入部勧誘にひっかかった。

「演劇部」

なぜ、演劇部なんだ。。。
と思いつつ
中学時代に正課クラブで
演劇をしていたので
まんざらでもなかった。
とりあえずやってみるかと
入ることにした。

やってみると結構面白い。
分厚い台本。
あれがなぜ暗記できるのかと
不思議に思っていたが
自然に頭に入るものだとわかった。

照れや羞恥はすぐに卒業できる。
舞台にあがるみんなが主役だ。
仲間に合わせ自分の役目を果たす。
遠くの観客にも聞こえるように
大きな声で喋る。
見えるように
リアクションも大きくやる。

このときの経験が
僕にいい影響を与えた。
大勢の場でいわゆる
ムードメーカーができるようになり
ドラマのようなくさい口説きも
こんな照れくさいこと普通言えるか?
ということも言えるようになった。
言いたいことは
シャキシャキはっきり言えるようになったんだ。

実は高校時代には
あまりいい思い出がない。
でも君に出会ったおかげで
「自分が好きな、かっこいい僕」が
生まれてきたんだ。


Form Martin


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