「あいつさ、マーチンのことが好きなんだって」
え!?
「本当に?」
「うん、本人に聞いたんだもん」
「そっかーっ♪」
「あぁ〜!嬉しいんだ!」
「そっ、そんなことないよ!」
最近なぜか目が合っている
気になるNちゃんのことだった。
舞い上がっちゃって、
月までぶっ飛んで行きそうだった。
それからというもの、
授業合間の休憩には・・・
必ずNちゃんの姿を探す僕がいた。
僕は子供の頃から背が高かったので
探すのに苦労はしなかった。
ん〜っと・・・
いた!
僕の目は大きい。
しかも強烈な二重でまつげも長い。
「ルパン三世」に出てくる銭形警部みたい。
あれ・・・とっつぁんは一重だっけ、まぁいいや。
じーっと見つめる。
じーーーっ。
視線を感じたNちゃんが目を合わせてくれる。
「あっ・・・」
にこっ。
にぃやぁ〜〜〜っ♪
嬉しい〜っ!
彼女が僕のことを好きだと聞いて
自信を持って目を見れるようになった。
そんなある日・・・
Nちゃんが友達と話しているのを聞いたんだ。
「マーチンって、すごい目が大きいよねー。
面白いからつい見ちゃうんだけど、変なのぉ〜」
なああああんだってえぇェェッ!
だから笑ってたの!?
・・・。
あぁ、早くもスーパー勘違い。
マーチン小学校6年生の夏でした。
P.S.
覚えていますか。
塾に行く途中、一度だけ出逢ったことがあったよね?
いつも「出逢えますように」って、遠回りしていたんだよ。
Form Martin