マーチン先生の恋愛教室

 同棲で得られるもの 〜 前編 〜

「 いいもの?わるいもの? 」


    今回の事例はこのお話です。主人公はKちゃん、2?歳。
3年半付き合った彼と、半年間の同棲の末に別れてしまいました・・・。

先月、ちょっとしたことから激しいケンカをしたんです。
仕事のことや、彼が私の家にころがりこんできた同棲生活に、イライラしてたんだと思います。

そして今月入ってからも、そういった不満が強くなり、彼に対して、怒ったりすねたり泣いたり・・・ということを繰り返してました。

そして、彼が一週間出張へ行きました。

ケンカのことが吹っ切れず私は不安だったのですが、出張中、彼からいたって普通のメールがきたんです。私はとても嬉しかったと同時に安心してしまい、自分の気持ちや言いたいことをわかってもらいたくて、こんなメールを送ってしまったんです。

「このままメールがこなければ、マジで考えようかと思ってた。
 ちょっとでも私のこと思ってるのなら気をつかって欲しいし、
 考えたくないならハッキリ言って!」


彼にしたら、それがハッキリした引き金になったのでしょう。
その後、ずっと・・・返事はありませんでした。

出張から帰って来てもしゃべらないし、ご飯も食べません。
「あのメールのことで怒ってるの?」と切り出したら、

「怒ってないよ。でも、先月のケンカはかなりショックで考えてた。
 友達のおかげでなんとか仲直りしたけど、
 それがなかったら別れてたと思う。
 そのことがずっと頭の隅にあって・・・
 今度、あんな派手なケンカしたらと思うと、
 今までみたいに振舞えない。
 このまま付き合っていける自信がなくなった・・・」

 と言われました。私は、

「メールが来たとき、すごく嬉しかった。
 これまで付き合ってきたことを思うと、やっぱりあなたが好き。
 だから、今まで通り付き合っていきたいと思ってる。
 ・・・それを聞いてもあなたの意見は変わらない?」

と聞きました。
彼はしばらく考えてたんですが、「うん、変わらない」って・・・。
私も「それじゃあ、わかった」って言ってしまいました。

そして彼は、その日のうちにアパートを出て行ってしまったんです。


▼ 同棲をする理由 ▼
同棲をするカップルは、今も昔も絶えません。
実際にしないまでも、「一緒に暮らしたいよぉ」と思ったことは、みんな一度はあることでしょう。

では、ここで質問です。


なぜ、同棲をするのでしょう?
または、したいと思うのでしょう?


この答えとなるものが、まず第一に「同棲で得られるもの」。
・・・同棲をする理由そのものなのです。


▼ 同棲で得られるもの ▼
同棲をしよう!なんて思うカップルの共通点、それは「超ラブラブ」。そして、超ラブラブカップルに共通する願いといえば・・・


もっと一緒にいたい!


という想いなのです。
きっと、Kちゃんたちも、初めはそうだったに違いありません。

「一緒に暮らせば、24時間一緒にいられて、
 毎日がラブラブ☆超ハッピーに過ごせるよー!」

確かに、これは当たっています。
今まで、一週間に一度しか逢えなかった二人なら、単純に考えても7倍の時間を一緒に過ごすことができるようになるわけです。つまり、ふたりは、「たくさんの一緒のとき」を、同棲で得ることができるようになるのです。

しかし・・・です。
それと同時に欲しくない・・・別のものも得てしまうのです。

なんだか、わかりますか?

これまでは、限られた時間を一緒に過ごしてきました。
ですから、一緒にいる時間は、お互いにお互いを最優先するように過ごしてきたはず・・・なのです。

わかりやすく例をあげると、恋人とデートしている最中に、長々とウォークマンで音楽を聴いている人はいないし、何時間も友達と長電話をする人もいないということです。

ところが、一緒に暮らし始めると、そういうわけにもいきません。
音楽が好きな人は、ふたり一緒の時間に聴かざるを得ないでしょうし、友達から電話で恋愛相談でもあろうものなら、長電話になっても切ることはできません。

こうして、


一緒にいるけれど、一緒ではない時間


を過ごすことになるのです。
同棲する前はみんな、「同棲すると、24時間ラブラブだぁー」と思っていたはずですが、実は、


ラブラブの時間も確かに増えるが、
これまでゼロだった「自分が無視される時間」ができる


という現実に直面するのです。
これが「同棲で得るもの その2」なのです。


▼ プラス志向、ここでも登場! ▼
そんなもの、いらないよー!・・・と思いますよね。

しかし、ものは考えようです。
・・・いいですか?

このまま二人がずっと付き合っていけば、いつしか必ず「結婚」を考える日がきます。そして、この「同棲で得るもの その2」を知らないままで結婚したらどうなるか・・・?

若くして結婚したカップル・・・そう、二人とも二十歳くらいで結婚したカップルが、うまくいかなくなる典型例がこれなのです。

自分が無視される時間に耐えられず、「私のことをもっと考えてよ」「俺のことも考えろよ」と気持ちをぶつけるようになるのです。Kちゃんのお話では、ズバリそのままもありましたし、「怒ったりすねたり泣いたりという行動」にも現れたわけです。

では、どうしたら良かったのでしょうか?

マーチン論、「相手は自分の鏡」です。
「私のことをもっと考えてよ」と、自分が思っているときは、自分も相手のことを考えてはいません。だから・・・


まず、自分が相手のことを想ってあげる


ことが大事だったのです。
出張先の彼から届いたメールには、わずかながらも、この気持ちを感じることができます。ここで、Kちゃんも彼を想うことができれば、この恋の行方は変わっていたように感じる・・・のです。

同棲で得られるもの・・・それは、


普通に付き合うだけでは知ることができない問題点
そして、それを乗り越えるチャンス


だと言えるのではないでしょうか。
そして、それを乗り越えたふたりには、「より強い絆」と「成長した自分」というご褒美があったのです。

同棲をした方がいいのか、しない方がいいのか?
この問いに正解はありません。
「同棲で得るもの」のために、わざわざ同棲をすることもありません。

しかし、同棲をしたことがある人には、それだけの強みがある・・・ということはできるでしょう。

・・・え?僕はどっちかって?
あなたが今、「同棲をしようか、するまいか?」で悩んでいるなら、したらいいと思いますよ。ほら、いつも言ってるでしょう?

行動しないと、何も変わらない。
しない後悔よりする後悔・・・なのですよ。


この授業、次回後半へ続きます。
お楽しみに!

<つづく>

   
同棲は、普通の恋愛よりも深い・・・のかもしれないね。  I wish you would try to understand how I feel.
 私の気持ちにもなってよぉ・・・。
written by Martin 2002.06.27



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