誰にも言えなかったハッピーバースディ (2000年11月8日 第64号)

親愛なる君へ

あのさ、ちょっと聞きたいんだけど。
もしかしてもうすぐ・・・
誕生日じゃないか?

え?!
あした?
なんでもっと早く言わないのさ?

・・・。
今まで誰にも言ったことがないから?
何言ってるの。
そんなこと、関係ないでしょ・・・?

お誕生日って
どうして「おめでとう」だか、わかるかい?

ちっちゃな頃は、
おもちゃを買って貰えて「おめでとう」。
お誕生会を開いて貰えて「おめでとう」。
大人になってからは・・・
何が「おめでとう」なのかよくわからない。

変わることといえば、
履歴書のあの数字や、笑った時にできるあの線が、
一つずつ増えていくだけだ。

嬉しくも何ともない。

そう、本人は嬉しくない。
君も嬉しくないでしょ?

けどね、僕は嬉しいんだよ。

だって・・・
大好きな君が生まれた日なんだから。

お誕生日は、君が嬉しくて「おめでとう」じゃない。
君の側にいる人達が嬉しい日・・・
なんだよね。

ちっちゃな頃のもっと前。

もっともっとちっちゃな頃。

君のお父さんとお母さんが、
ぎゅうっと抱きしめてくれて
「お前が生まれて一年経ったんだね」と
涙を浮かべて喜んでくれた。

お誕生会は楽しい。
君が生まれてくれたから、今日、この瞬間がある。

だから、みんなが喜んでくれるんだ。

そして、ここに・・・
ここに、こんなに嬉しい僕がいる。

だから、みんなが声をそろえるんだ。
「お誕生日おめでとう!」って。

それが、君へのプレゼントなんだよ。

ほら、嬉しくなってきたでしょう?。

「私の誕生日を祝ってくれる人がいる」ってさ。

だから・・・
たくさんのプレゼントが届くように
たくさんの人へ伝えよう。

誰にも言えなかったハッピーバースディは
11月8日なんだよってさ。

一番おっきなプレゼントの贈り主を
後でこっそり教えてね。

P.S.お誕生日にはケーキを買って、ローソクを並べよう。
    小さなローソクをたくさん・・・、たくさん並べていこう。
                                From Martin

戻る