軽い想いを送ってみよう (2000年10月19日 第57号)

親愛なる君へ

「おもい」
この言葉を聞いて
どんな「おもい」が浮かんだかな?

僕はよく「想い」を使う。
自分がおもうのは勿論のこと
君のこともおもっている。
できることなら、君にもおもって欲しい。
そんな「おもい」なんだ。

でもね・・・
一つ間違えちゃうと
相手には「重い」になってしまうんだ。
これは気を付けなきゃね。

僕はよく失敗していた。

「好きだ」

でも相手は応えてくれない。
期待している返事が来ない。
だから、また「おもい」を送る。
今日も明日も、より大きな「おもい」を乗せて・・・。

いつしか独り善がりになっていた。

僕は馬鹿なヤツだったから、
何度も何度も繰り返した。
大人になってもずっとね・・・。

そんな時代、こんなことがあった。

遠い所に恋人がいる。
暫く話もしていない。

今日も仕事に疲れ部屋に戻ると、
待ち構えたように電話が鳴った。

僕は電話が嫌いなんだ。
遠慮なしに、「僕の時間」に乱入してくるから。

孤独モードなので出たくない。
留守電でいいや。

どうせ・・・
「帰ったら電話下さい」
なんだからさ。

・・・
「メッセージを録音して下さい」
ピーッ!

「・・・お帰り。ちゃんと御飯食べてますか?
 あまり無理しちゃだめだよ。
 またね」

プーッ、プーッ、プッ・・・。

このメッセージは
扉を閉ざしていた僕の心に届いたんだ。

軽くない。
だけど、一見軽い「おもい」の方が
本当の想いを乗せて来た。

重い想いは届かないんだ。

愛しのあの人に、想いが届かないと思ったら
軽い想いを送ってみよう。

軽い方が遠くまで飛んで行くんだよ。

そう・・・
遠くに住むあの人のもとまで、
届いてくれるかもしれないね。

P.S.なんだか、君と話がしたくなりました。
    今から電話します。
                                From Martin


戻る