奇跡が信じられない君へ (2000年6月24日 第19号)

親愛なる君へ

赤い糸の話は知ってるよね。
じゃあさ、白い糸の話は知ってる?

人生は白い糸なんだ。
生まれたところから糸が始まる。
10年生きたら10年分、
20年生きたら20年分の長さになる。
人によって同じ年月でも長さが違う。
その人の生きてきた歴史の濃さが違うから。

糸は広い空間にあってね、
簡単に糸同士がぶつかることはないんだ。

人と人が出逢うのは、糸と糸が出逢うことなんだ。
一緒にいるっていうことは、
糸同士がくっついて進んで行くことなんだ。

道を歩く。
たくさんの人達と出逢う。
その人達の糸と僕の糸は、ある空間で出逢ったんだ。

喫茶店に入る。
何人かの人がいる。
糸同士が出逢ったんだ。

そして・・・
恐らく二度と会うことはない奇跡なんだ。

こう考えると、奇跡は毎日起きている。
出逢うだけで奇跡。
そして話をして一緒にいるっていうのは
信じられない奇跡なんだ。

一ヶ所で糸を縺れさせちゃいけない。
回り道をするのはいい。
後から振り返ったときに、
確かに前に歩いていると実感したい。

だから、進むべき糸の先を・・・
一緒に見つめて歩いて行こう。

そして時々横を見よう。

君が遅れそうだったら、手を引いてあげる。
僕が立ち止まっていたら、君に背中を押して欲しい。

そうやって、一緒に糸を伸ばしていこうよ。

出逢っただけで奇跡。
こうして一緒にいるのはさ、信じられない奇跡なんだから。

P.S.奇跡を信じて、同じ軌跡を残していこう。
                                From Martin


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