気づかい と 押し付け、紙一重の瞬間

恋愛に限らず、人間関係では、相手に「ありがとう」と言ってもらえる行動をすることが、好きになってもらう秘訣です。

しかし、そう思って行動したことが、逆に迷惑になってしまうことも……。今日は、そんなお話をご紹介したいと思います。

<メール>----------------------------------

マーチン先生、こんにちは。りんりんと申します。
いつもメルマガを拝読し勉強させて頂いております。先日、彼が好きなアーティストが出るTV番組を録画しておきました。(彼は放送を見ていません)

そして後日、彼のバンドの練習に同行したとき、録画DVDを渡したのですが、彼は表情をあまり変えず、反応は薄いものでした。彼の喜ぶ顔を想像していた私はとても悲しくなり、涙目で「帰る」と言ったら、彼は不機嫌になってしまいました。

彼は次のように言っていました。

・バンド練習について考え事をしておりDVDに気が回らなかった。申し訳なかった。
・しかし、自分の期待通りの反応をしなかったことに怒りを表すのは、考え方を押し付けることになり不愉快だ。

私は、

・彼を喜ばせようという気持ちがはやり、渡すタイミングを誤った。
・練習前の忙しいときに、彼を余計困らせるようなことを言った。

ことを反省しています。ただ、喜ばせようとしたことが、逆に気分の悪いことになってしまい、とても残念です。

上記の反省点以外に私がすべきだったこと、もしくは注意すべきだったことがあれば、ご指摘頂けませんでしょうか。宜しくお願い致します。
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彼、彼女が好きなTV番組を、「頼まれないのに録画」しておいて、後日それを渡す……というのは、簡単なわりに、すごく喜んでもらえる可能性がある気づかいです。

でも、りんりんちゃんは、うまくいきませんでした。

行動の視点は良いのです。ただ、見せ方を失敗してしまったことが、今回の反省点だと思います。反省点は、上記でりんりんちゃんが仰っていた通りですが、大事なお話ですので、詳しく見ていきたいと思います。

◆ 反省点は、彼が指摘したポイント ◆

りんりんちゃんのお話、彼が仰っていることは100%正論です。彼は、お詫びすべきことは、ちゃんと謝ってくれており、非常に理路整然とした意見で頭の良い彼だと思います。今回、一番大事な反省点はここです。

> 自分の期待通りの反応をしなかったことに怒りを表すのは、考え方を押し付けることになり不愉快だ。

これは本当に、彼が仰る通りです。で……どうして、こうなったかというと、りんりんちゃんが、「彼のためにした」と思っていた行動が、実は自分のための行動になっていたからなのです。

元々、気づかいの行動とは、「相手の人に喜んでもらう」「相手の人に心地よくなってもらう」という行動です。このとき、「相手の人に喜んで欲しい」と思うことは良いと思います。しかし、喜んでもらえなかったからといって、マイナスの感情を出してしまうのは、全てをダメにしてしまう自爆の行動になってしまうのです。

仮に喜んでもらえなくても、「なはは、しっぱーい! またやればいいか☆」と思えるようになることが、大切なのですよ。

◆ こういう見せ方が、喜んでもらえる見せ方 ◆

気づかいのお話が、恋愛教室で取り上げられるようになったのは、2008年1月3日号で交際がスタートした僕の友人 浅田さんが、彼に気づかいの行動をして3ヶ月後にプロポーズを受けたことからです。

「どうなるかわかんないから、また連絡するよ」と言われたら

 ※気づかいの具体例は、下記、恋愛教室PREMIUMで取り上げております。
  2008年
   1月号 感動する程イイ女の実例
   2月号 一撃で相手をジーンとさせる気遣いを学ぼう
  3月号 相手を感動させる気遣いをもっと知ろう

  お申し込み https://www.mag2.com/m/P0000272

浅田さんのお話の中に、こんな事例がありました。
浅田さんは、交際当初、彼とドライブに行くことが何度かありました。このとき、彼女は、「おにぎりとお茶」を、いつも用意して行っていたのです。でも、彼女は、彼が「あ~、腹減ったな~」と言わない限り、それを言いませんでした。

なぜなら、「おにぎり持って来たよ」と言ってしまうと、食べることが彼の義務になり、その瞬間、気づかいではなくなるからです。だから、彼女は2回程、このおにぎりを持ち帰っているのです。

そして、3回目のとき、彼が車を運転中に「あ~、腹へったな~」と言い、そのときに、「おにぎりあるけど、食べる?」と聞いたのです。もちろん彼は、「えっ、マジで!? やったぁ、サンキュー!」ととってもご機嫌に食べてくれたそうです。

これが、真の気づかいの姿です。
だからこそ、交際3ヶ月でプロポーズをされるほどの効果があったのですね。

◆ りんりんちゃんの失敗は、とても意味のある失敗 ◆

もしかしたら、りんりんちゃんは、「こんなことになるなら、しなきゃ良かった」と
少しは感じてしまったかもしれません。でも、そんな風に思わないで欲しいと思います。これは、とても意味のある失敗なのです。

気づかいを取り上げた本「愛される女性は気づかいが上手い」の最後に、こんなお話があります。

<引用>──────────────────────────────────

気遣いは、「無償の愛をささげるような姿勢」ですることが大切だと思います。つまり、好かれようと思ってしても、それは見返りを求めているので相手のためを思ってした行動ではない……と。

「じゃあ、今、こうして学んでいること全てが、ムダじゃないですか。“向上したい”“好かれたい”と思っているから、この本を読んだのですよ?」そう思われるかもしれませんね。でも、それは大丈夫です。

人は、「それ」を身に付けるまでは、「意識的にそれをすること」が必要です。でも、一度習慣化してしまえば、以後の人生では、ずっと無意識にできるのです。

例えば、僕ですとプラス思考がそうです。今では常にプラス思考な僕ですが、25歳くらいの僕は、シャワーを浴びながら独り言で会社のグチを言う程でした。

「なんでこうなんだよ! 許せない」とか、「もう、知らん!」とか。きっと、信じられませんよね☆ でもその度に、

「ああ、いかんいかん。そんなこと考えても意味はないんだ。だったら、どうしたらいいのかな……」と、改善案を口に出して言い直していたのです。それを数ヶ月、半年……とやっていく中で習慣化していったのです。

三笠書房/「愛される女性は気づかいが上手い」より
https://www.martin.ne.jp/jump_kidukai.htm

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きっと、りんりんちゃんは、次に彼に何かをしてあげるとき、同じ失敗をすることはないと思います。大きな、くやしい失敗こそ、次に生かせるものなのです。りんりんちゃんに限らず、ご覧の皆さんも、1度や、2度、うまくいかなくても、あきらめないで欲しいと思います。

彼に、彼女に喜んでもらおうと思ってしたこと、その心は、誰の目にも真っ直ぐに見える、ステキなものなのです。上手に伝えられるようになるまで、繰り返し頑張っていきましょう。

                    written by Martin 2009.09.08

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