第8話 初めて感じる大切さ

「このまま入院ですね」
え・・・?!
今までのは間違いだったの?

中学2年、とても寒い朝だった。
目覚めるとなぜか腰が痛くて、靴下が履けない。
ひとりで着替えることができず、母に手伝ってもらった。

絶対変だと思い病院に行く。

「神経痛ですね」

痛み止めをもらい家へ帰る。
こんなことが、高校1年の冬まで何度か続いた。

「このまま入院ですね」
「いったい、これ、なんなんですか?」
「ヘルニアですよ」

「腰椎間板ヘルニア」

これが病名だった。
背骨と背骨の間にある軟骨がはみ出して
骨の側を通る神経に触れ、
激しい痛みを伴い下半身が不自由になる。

そのとき僕は、まともに立つことも
座ることもできなかった。

寝ることもできず、徹夜明け・・・
これまでと違う病院へ行ったのだ。

なんと、この日は
高校1年から2年になる時の春休み初日だった。

病院は高校から30m向かい、
道路を挟んだ所にあった。

一週間程度で激しい痛みからは開放され、
ひょこひょこと歩けるようになった。

黄昏て屋上へ行く。
目の前、高校のグラウンドで、
元気に部活動をしている生徒達が見える。

「ほんの一週間前までは
 僕も元気だったのに・・・」

そう思うと涙がとまらなかった。

健康第一

誰もが知っている言葉だ。
しかし、本当の意味を知っている人は少ないと思う。

失って初めて感じる大切さ。

この世には・・・
初めから不自由な体で生まれてくる人もいる。

その人たちの分も・・・
健康な体で生まれてきた人は
精一杯健康に生きていく義務が
あるのではないだろうか?

・・・。

正直、君には出逢いたくなかったよ。
でも君のお陰で大切なことを知った。

出逢ってしまった以上、プラス方向に生かしたい。
君とは一生の付き合いになるらしいからね。

P.S.看護婦さんに「腰の使いすぎよ☆」なんて言われたけど、
    このとき、まだ使ったことはありませんでした。

From Martin

2000年7月8日著/2002年2月12日加筆


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