第3話 ざんげの告白 〜仲間に売られた僕〜
「マーチンに言われて、やったと言っている。
どうなんだ?」
なんだって?!
なにが、どうなってんだ?
中学2年、夏。
この頃、僕は学校で一番のワルだった。
いろいろな悪さをした。
万引きもした。
「あのさ、あれを俺が盗るから
お前は店員の気をひいといてよ」
「OK」
別々にお店へ入る。
相棒は店員の近くでうろうろ。
僕は奥の方へ・・・。
そろそろか?と思ったその時。
相棒が捕まったんだ。
何か盗ろうとして見つかったらしい。
!!!
こいつ馬鹿じゃねーか?
気を引く役目の奴がやってどうするんだ?
・・・。
どうしようもない。
僕は店を後にした。
その夜。
学校の先生が二人、家に来た。
相棒が万引きをして捕まったことを告げられる。
相棒はマーチンに命令されてやったと。
「マーチンに言われてやったと言っている。
どうなんだ?」
なんだって?!
どうなってんだ?
「マーチン!!」
「そんなことは言っていません」
「・・・そうか、一応部屋を調べるぞ」
部屋からは
それまでの悪行の品々が出てきた。
今、思えば・・・
警察ですら、他人の家を調べるには令状がいるのに
とんでもない先生である。
これはもう正直に話すしかない。
「これはお前がやったんだな」
「・・・はい」
「今日のことはどうなんだ」
事の成り行きを説明する。
先生は僕の言葉を信じてくれた。
確かにワルだが、
マーチンは人を脅す奴ではないと。
夜中にいろいろ考えた。
ワル友達とはいえ信用していた奴だった。
「マーチンもやっていた」と
付け口をするぐらいなら分かる。
しかし、僕を売って自分が助かろうとするとは・・・。
「悪い事をする時は、一人でしないといけない」
という言葉を聞いたことがある。
なるほど・・・と思った。
映画でギャング達が仲間を裏切るシーンがある。
いとも簡単に裏切る。
この経験のおかげで、僕にはあれが凄く理解できる。
「悪い事」をする時は、何をしても「スリル」がある。
万引きも最初は物が欲しくてやるが、
だんだん「スリル」を味わう為にするようになる。
やめられない。
誰かとめてくれ!
麻薬みたいなものだ。
中学時代に捕まって本当に良かった。
そんな事した経験がないという人
死ぬまで絶対にするんじゃないよ。
万が一、今している人がいたら・・・
今すぐやめるんだ。
無理だと思ったら両親か恋人に打ち明けて
懺悔(ざんげ)をすればやめられる。
翌日。
両親と先生と謝罪まわり。
どこのものか分からない品が多いので
両親はあるところに寄付をして償いをしてくれた。
悪行は必ず天罰が下ることを知った。
ワルだった僕を救い出してくれた先生と両親の愛を知った。
そして・・・仲間に売られることを知った。
今思えば君が売ってくれて良かった。
でも、やっぱりその時は・・・つらかった。
P.S.物欲で繋がった関係ほど脆いものはないんだって、
学んだのは君からだったよ。
From Martin
2000年7月1日著/2001年12月20日加筆
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